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新緑の春日山に、澄んだ声が響きます。見上げると、枝の先に濃い青。オオルリです。
すぐにカメラを構えましたが、葉の向こう。うまく撮れませんでした。
黄色い鳥のキビタキ、青い鳥のオオルリとルリビタキ。この三種は、いつ会ってもわくわくする鳥です。声が聞こえたら、姿を見ようと一生懸命に探してしまう。
緑の葉のあいだにあの色を見つけたときは、本当にうれしくなります。
こんにちは、イソヒヨノートのハルです。
今回は、きれいな色の鳥、オオルリ・ルリビタキ・キビタキの「色のしくみ」をご紹介します。
鳥の羽の色は、大きく三つの要素でできています。
①色素に頼らない構造色。
②赤や黄色をつくるカロテノイド色素。
③黒や褐色をつくるメラニン色素。
この三つを知っておくと、羽の色はぐっとわかりやすくなります。
先に答えをまとめると、こうなります。
・オオルリの青 → ①構造色
・キビタキの黄色 → ②カロテノイド色素
・ルリビタキの青 → ①構造色、脇腹のオレンジ → ②か③の色素
✨ 青い鳥に、青い色素は入っていない
まず、いちばん驚いた話から。
じつは鳥の世界に「青い色素」はほとんど存在しないと言われています。赤や黄色の色素はあるのに、青だけがないのです。
それなのに、オオルリはあんなに青い。
答えは、①の構造色(こうぞうしょく)です。青は「色」ではなく「構造」で作られています。
羽の内部は、スポンジのような細かい構造になっています。そのすき間の大きさがきれいにそろっていて、青い波長の光だけを跳ね返す。残りの光は、すき間の下に敷かれた③のメラニン色素が吸い込んでしまいます。おかげで、跳ね返された青だけが濁らずに目に届くというわけです。
つまりオオルリの青は、羽に青い色素が入っているわけではないのです。
写真は2023年4月、馬見丘陵公園で撮ったオオルリです。深い青が美しいです。

ピーリリ、と涼しい声。そのあとに、ジジッ。
この声を聞いたのは、4月と5月です。春日山、馬見丘陵公園、大阪城公園で会えました。
☀ 曇りの日に青が暗く見えるのは、気のせいじゃない
構造色は、光の当たり方で見え方が変わります。
写真を撮っていて、青が暗く見えると思ったら、腕のせいではありません。
光の当たり方のせいかもしれません。
変わるのは色みそのものより、明るさや濃さのほうです。順光では深い青に、日陰ではただの黒っぽい鳥に見えてしまう。
雨上がりに青がくすんで見えることもあります。羽が濡れると、表面での光の反射のしかたが変わってしまうからです。
構造色は、それくらい繊細な色なのです。
☁ 構造色には、二つの型がある
①の構造色とひとことで言っても、じつは大きく二つに分かれます。
ちがいは、③のメラニン色素がどこにいて、何をしているかです。
構造色のひとつめは、角度で色が変わりにくい型。
羽の内部は、スポンジのような細かい構造になっています。青い光を跳ね返すのは、このスポンジのすき間です。メラニン色素はそのスポンジ状の羽の下で、通り抜けた光を吸い取る裏地の役目です。オオルリ、ルリビタキ、イソヒヨドリ、カワセミ、カケスの翼の青がこの型です。
構造色のふたつめは、角度で色が変わる型。
こちらはメラニン色素の粒が、羽の表面近くにミルフィーユのように整然と積み重なっています。重なった層の一枚一枚で跳ね返った光が、強め合ったり打ち消し合ったりして色が生まれます。見る角度が変われば、色までいっしょに変わります。カラスの黒い羽に、紫や緑が浮かぶこと、マガモのオスの緑の首、ハトの首まわり。どれもこの型です。
☘ キビタキの黄色は、食べたものの色
次にキビタキのお話です。林の中で明るく歌うようなさえずりが聞こえたら、まずあの黄色を探します。
写真は2023年4月、大阪城公園で撮ったキビタキです。

姿を見たのは、4月・5月と、9月・10月。場所は馬見丘陵公園や大阪城公園などです。とくに4月はよく観察できました。葉がまだ茂りきっていないぶん、見つけやすいのかもしれません。
さて、この黄色。
構造色ではなく、②のカロテノイド色素による色です。おもしろいのは、鳥はこの色素を自分では作れないということ。食べた虫や、その虫が食べた植物の色なんです。
フラミンゴがプランクトンを食べてピンクになるのと、同じしくみです。動物園では、えさを工夫してあの色を保っているそうです。
そしてしっかり食べて元気な個体ほど、色が濃く出ると言われています。
キビタキの黄色は、ごまかしのきかない健康診断書のようなものなんです。
❀ 黄緑の鳥は、青と黄色の重ね合わせ
では、メジロの黄緑はどうでしょう。
写真は2024年3月、大阪城公園で撮ったメジロです。

じつは鳥は、緑の色素もほとんど持っていません。
①の構造色がつくる青の上に、②のカロテノイド色素の黄色を重ねる。
それであの黄緑ができあがります。アオゲラの緑も、同じつくりと考えられています。
インコの緑も青と黄色の重ね合わせですが、こちらの黄色は特別です。プシッタコフルビンという、インコやオウムの仲間だけが持つ色素なのです。
✿ ルリビタキは、一羽で両方持っている
そしていちばんおもしろいのが、冬の人気者・ルリビタキです。
写真は2024年1月、馬見丘陵公園で撮ったルリビタキです。

会えるのは12月から4月にかけて。馬見丘陵公園がいちばん多く、二上山の山麓や大阪城公園でも観察できました。声を聞いたことは、ほとんどありません。この鳥だけは、いつも声より先に姿で見つけています。
背中から尾にかけての、青。これは①の構造色。
脇腹の鮮やかなオレンジ。こちらは色素の色で、②のカロテノイド色素か、③のメラニン色素によるものと言われています。
一羽の体の上に、まったく違う二つのしくみが同居しているのです。
この「青とオレンジ」の組み合わせ。イソヒヨドリも、まったく同じです。
□イソヒヨドリ写真
身近な鳥にも、二つのしくみが同居していたわけです。
❄ 青くなるまでに、三年かかる
もうひとつ。
ルリビタキのオスは、生まれてすぐ青くなるわけではありません。
若いオスはメスによく似た褐色で、尾や腰、翼にうっすら青みが出る程度。背中まで美しい青になるには、三年ほどかかると言われています。構造色は、羽を作り替えるたびに少しずつ整っていく色。冬の林で出会うあの青は、時間をかけてできた青なんです。
オオルリ、キビタキ、ルリビタキ。美しい鳥たちの色のしくみを知ると、見つけた一羽をもう少し長く眺めていたくなります。
※記事の構成や表現の整理にAIを活用していますが、観察記録と写真はすべて自分たちで撮影・記録したものです。
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