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「モズのはやにえ」という言葉を、聞いたことはありますか。
木の枝のとがった先に、バッタやカエルが串刺しにされている――。
野鳥の本やSNSで、そんな写真を見てギョッとした方もいるかもしれません。
じつは私自身、この「はやにえ」にはまだ出会えていません。
いつか実物を見てみたい。そんな思いもこめて、今日はモズのお話をご紹介します。
こんにちは、イソヒヨノートのハルです。
身近なようで意外と知らない、モズの雑学をたっぷりお届けします。
✨ スズメより少し大きい、小さなハンター
モズの全長は約20センチ。スズメより少し大きいくらいの小鳥です。
見た目はかわいらしいのですが、その正体は立派な肉食。
昆虫はもちろん、カエルやトカゲ、ときには自分より小さな小鳥やネズミまで襲います。
くちばしの先がワシやタカのようにかぎ状に曲がっていて、まさに「小さな猛禽」と呼ばれる存在です。
あんなに小さくて愛らしい顔をしているのに、じつは生粋のハンター。そのギャップに、つい引きこまれてしまいます。
日本では北海道から九州まで広く暮らし、本州では一年を通して見られる身近な留鳥です。
平地の林や農耕地、河川敷、公園など、見晴らしのよい開けた環境を好みます。
寿命ははっきりわかっていませんが、野生では数年ほどと考えられています。短い命を、たくましく生きている鳥なんです。
✿ オスとメス、淡い色合いのメスがまた愛らしい
モズはオスとメスで、見た目が少し違います。
オスは目を横切る過眼線(かがんせん)がくっきりと黒く、翼には白い斑が見えます。
写真は12月に馬見丘陵公園で撮ったオスです。

オスは目元がきりっとして、精悍な顔つきですね。
いっぽうメスは、過眼線が淡い茶色で、全体的にやさしい色合い。
写真は3月になぎさの池(神戸市)で撮ったメス(上)と、12月に馬見丘陵公園で撮ったメス(下)です。


私はこの淡くてやわらかな雰囲気のメスが、なんともかわいくて好きなんです。
双眼鏡で顔の模様を見比べると、意外と簡単に見分けられます。
秋から冬にかけては、オスもメスもそれぞれの縄張りを持って暮らします。だから一本の木に一羽、ということが多く、じっくり観察するのにぴったりな鳥でもあるんです。
そんなときは双眼鏡があると、表情までじっくり楽しめます。使っている双眼鏡はこちらの記事に。
☆ 実は大阪府の鳥、「もずやん」の知られざる過去
じつはモズ、大阪府の「府の鳥」に選ばれています。
大阪府の公式キャラクター「もずやん」も、このモズがモチーフなんです。府の「広報担当副知事」という、なかなかの肩書きを持っています。
でも、もずやんには知られざる過去があります。
もともとは1997年の「なみはや国体」のマスコットとして生まれた、「モッピー」という名前でした。
ところが、同じ名前のキャラクターがユニバーサル・スタジオ・ジャパンにいて、商標の問題が発生。改名を迫られ、ついでに体型まで丸っこく〝整形〟して、今の「もずやん」になったそうです。
当時、大阪府の中には全部で92体ものキャラクターがいたのだとか。さすがに多すぎますよね。
2014年にキャラクターが整理され、残った一つが、このもずやんだったのです。
✏ モズ最大の謎「はやにえ」、その理由がついに解明された
さて、ここからが本題。冒頭の「はやにえ」のお話です。
モズには、捕まえた獲物を木の枝のとがった先やトゲ、有刺鉄線などに突き刺す習性があります。
これを「はやにえ(早贄)」と呼びます。
バッタやカエルが枝に刺さったまま残されている、ちょっとびっくりする光景です。
もし見かけたら、それはモズが近くで暮らしているサインです。
「なぜそんなことを?」――エサの少ない冬にそなえた保存食ではないか、縄張りの目印ではないか。いろいろな説が唱えられてきましたが、本当の理由は長いあいだわかっていませんでした。
ところが2019年、大阪市立大学と北海道大学の研究グループが、その謎をついに解き明かしました。
モズのオスは、冬のあいだにせっせとはやにえを作ります。そして繁殖期の前、おもに1月ごろにそれを食べるのだそうです。
すると栄養状態がよくなり、春のさえずりが「早口」になって上手になります。モズはもともと、ほかの鳥の声をまねた複雑なさえずりを聞かせる鳥。その歌に、はやにえの栄養が効いてくるというわけです。
そして、早口で歌えるオスほど、メスにモテる。はやにえをたくさん食べたオスほど、いいパートナーを見つけられたことがわかったそうです。
つまり、はやにえはモテるための栄養補給。あの少し不気味な光景の裏に、けなげな恋の事情が隠れていたんですね。
枝に刺さった小さな獲物が、じつは命がけの恋のしるし。そう思うと、見え方ががらりと変わってきます。
写真は電線の上で虫をくわえたモズです。11月に甘樫丘で撮りました。はやにえを作る場所を探しているのかもしれません。

♪ 秋、馬見丘陵公園で「キチキチキチ」が聞こえたら
最後に、モズの鳴き声のお話を。
秋になると、モズは「キチキチキチ」「キーキーキー」と、するどく高い声で鳴きます。
これは「高鳴き」と呼ばれるもので、冬を一羽で過ごすための縄張りを宣言しているのです。
実際、観察記録でも、モズの声を耳にしたのは10月がいちばん多かった。やっぱり秋は「声の季節」なんですね。
秋の馬見丘陵公園(奈良県)で、この声を何度も聞いてきました。
じつはこの4年で、いちばんモズに会えているのも馬見丘陵公園。記録をたどると、モズとの出会いの半分以上が、この公園でのことでした。
木のてっぺんで胸を張って鳴くモズの姿は、「ここは私の場所よ」と言わんばかり。
澄んだ秋の空気の中に響くあの声を聞くと、夏が終わったんだなあとしみじみ感じます。
あの「キチキチキチ」が聞こえてきたら、それは秋が来た合図です。
小さな体で虫やカエルを狩り、枝に獲物を刺し、恋のために歌をみがく。
知れば知るほど、モズはたくましく、どこか愛おしい鳥です。
※記事の構成や表現の整理にAIを活用していますが、観察記録と写真はすべて自分たちで撮影・記録したものです。
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