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「ホーホケキョ」。
この声を聞いたことがない人は、きっといないですよね。
でも、ウグイスの姿をちゃんと見たことはありますか。
じつは「声はすれども姿は見えず」と言われるほど、ウグイスは見つけにくい鳥なんです。
こんにちは、イソヒヨノートのハルです。
今回は、春を告げる鳥ウグイスにまつわる雑学を、たっぷりご紹介します。
🐦 ウグイスってどんな鳥?
ウグイスはスズメくらいの大きさで、全長は14〜16センチほど。オスのほうが少し大きめです。
体の色は、地味なオリーブ褐色(かっしょく)。くすんだ茶色っぽい緑、といった感じでしょうか。
藪(やぶ)の中が大好きで、めったに開けた場所には出てきません。警戒心がとても強いんです。

写真は8月、馬見丘陵公園で撮った幼鳥です。葉の茂みに身を隠すように、じっとひそんでいました。
観察に出かけると、声は聞こえるのに、姿はなかなか拝めません。
記録を見返すと、ウグイスを確認できたのは、そのほとんどが「声だけ」でした。特に馬見丘陵公園(奈良県)では、一年を通してよく声が聞こえてきます。
季節でいうと、春から初夏(4〜7月ごろ)はさえずりが一番よく響き、秋から冬(9〜2月ごろ)は「チャッ、チャッ」という地鳴きに変わります。声そのものは、ほぼ一年じゅう、どこかから聞こえてくるんです。
ところが、姿となると話は別。私たちが馬見丘陵公園で実際に姿を見られたのは、木の葉が落ちて藪がすける冬(12〜2月)と、意外にも巣立った幼鳥が出てくる夏(8月)くらいでした。「ホーホケキョ」の声がいちばんにぎやかな初夏ほど、本人は藪の奥に隠れていて、まさに「声はすれども姿は見えず」なんです。
ウグイスは藪の奥にいることが多いので、双眼鏡があると探しやすいです。双眼鏡えらびはこちらの記事にまとめています。
ちなみにウグイスは、オオルリ・コマドリと並ぶ「日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)」のひとつ。昔から「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれ、その美しい声で親しまれてきました。
その「ホーホケキョ」が仏教の「法、法華経(ほっけきょう)」と唱えているように聞こえることから、ウグイスには「経読み鳥(きょうよみどり)」という風流な別名もあるんですよ。
🌿 「ウグイスの色」と「ウグイス色」は、じつは別もの
「ウグイス色」と聞くと、鮮やかな黄緑色を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。抹茶のような、明るい緑です。
でも、本物のウグイスの羽は、そんなに鮮やかではありません。くすんだオリーブ褐色(灰色がかった緑褐色)で、どちらかといえば地味な色なんです。
つまり、多くの人がイメージする「ウグイス色」と、実際のウグイスの色は、けっこう違います。
では、なぜこんなズレが生まれたのでしょう。じつは、ウグイスとメジロを取り違えているのが、大きな原因なんです。
メジロは目のまわりが白く、体は鮮やかな黄緑色。花の蜜が大好きで、春には梅や桜によく集まります。以前メジロの記事でもお話ししましたが、この2種は本当によく混同されます。

写真は3月、馬見丘陵公園で撮ったメジロです。桜の木にとまっていました。この鮮やかな姿を見て「ウグイスだ」と思い込んだ人も、多かったのかもしれません。「梅にウグイス」という言葉がありますよね。でも、梅の花の蜜を吸いに来るのは、たいていメジロのほう。
ウグイスは藪の奥にいて、好物も昆虫やクモ、果実など。梅の枝で見かけることは意外と少ないんです。

写真は8月、馬見丘陵公園で撮ったウグイスの幼鳥です。好物の虫を、しっかりとくわえています。
春先、梅の木で明るい黄緑の鳥を見た人が「これがウグイスだ」と思い込む。そうやって、じつはメジロの色が、いつのまにか「ウグイス色」として広まっていったのかもしれませんね。
🍵 ウグイス餅にウグイス餡、あの緑色の正体
和菓子の「ウグイス餅」や「ウグイス餡(あん)」、それに「ウグイスパン」。どれも、きれいな黄緑色をしていますよね。
ところが、この鮮やかな緑にも、ちょっとした歴史が隠れているんです。
ウグイス餅は、もともと黄緑色ではありませんでした。昔はきな粉をまぶした、茶色っぽい色だったそう。それが「ウグイスの羽の色に似ているから」と、この名前がついたといわれています。
つまり、名づけられた当時の色は、本物の地味な羽の色に近かったんですね。
ところが時代が下ると、青大豆のきな粉が使われるようになり、春らしい鮮やかな緑へと変わっていきました。
名前は地味な本物の羽から、色は明るいイメージのほうへ。お菓子の世界でも、ウグイスと「ウグイス色」のすれ違いが起きていたんですね。
🎶 ホーホケキョだけじゃない、谷渡りの秘密
ウグイスの鳴き声というと「ホーホケキョ」。これは「さえずり」と呼ばれ、オスが縄張りを主張したり、メスにアピールしたりするための声です。
じつは「ホーホケキョ」とさえずるのは、オスだけ。メスはさえずりません。しかも春先のオスは、まだ鳴き方が下手なことが多いんです。「ホー…ケキョ、ケキョ」とたどたどしく、練習を重ねてだんだん上達していきます。最初のたどたどしい一声を聞くと、「今年も春が来たな」とうれしくなります。
でも、ウグイスの声はこれだけではありません。冬になると「チャッ、チャッ」という地味な声に変わります。まるで藪の中で舌打ちをしているようです。私も鳴き声を覚えるとき、「ウグイスは舌打ち」と頭に入れました。これは「笹鳴き(ささなき)」と呼ばれる地鳴き。同じ鳥とは思えないほど、印象が違うんです。
そしてもうひとつ、「ケキョケキョケキョ……」と長く続く声があります。これは「谷渡り(たにわたり)」と呼ばれるもの。
長いあいだ、谷渡りは「外敵が来たときの警戒の声」だと考えられてきました。ところが2024年、国立科学博物館が新しい説を発表したんです。なんと谷渡りは、警戒ではなく「メスへのアピール」だった、というのです。
よく知られた鳥なのに、まだ新発見がある。野鳥の世界は、本当に奥が深いですね。

写真は4月、馬見丘陵公園で撮ったウグイスです。口を大きく開けて、一生懸命に「ホーホケキョ」とさえずっていました。
🥚 ウグイスは、ホトトギスに子育てを押しつけられる
ウグイスには、気の毒な一面もあります。じつはウグイスは、ホトトギスに「托卵(たくらん)」される鳥なんです。
托卵とは、自分の卵を他の鳥の巣にこっそり産みつけ、子育てを任せてしまうこと。ホトトギスはウグイスの巣を狙い、まんまとウグイスに自分のヒナを育てさせてしまうのです。
このあたりの巧妙な仕組みは、ホトトギスの記事でくわしくお話ししています。
そういえば、野球場やイベントで上手にアナウンスをする女性を「ウグイス嬢」と呼びますよね。あれも、ウグイスの美しい声にちなんだ言葉なんです。最近は性別を特定しない「場内アナウンス」と呼ぶことも増えてきました。それでも、美しい声といえばウグイス、というわけですね。
声はよく知っているのに、姿は意外と知らないウグイス。
色のイメージも、お菓子の由来も、鳴き声の意味も、調べてみると驚きばかりでした。
秋から冬にかけて、馬見丘陵公園の藪の中から「チャッ、チャッ」と舌打ちのような声が聞こえたら、奥をよく探してみてください。

写真は2月、平城宮跡で撮ったウグイスです。寒さで羽をふくらませ、まんまるな冬の姿になっていました。
※記事の構成や表現の整理にAIを活用していますが、観察記録と写真はすべて自分たちで撮影・記録したものです。
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