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カラスって、なんとなく怖いと思っていませんか?
ゴミをあさる、鳴き声がうるさい、真っ黒で縁起がわるい、目が合うとつつかれそう……。
正直なところ、バードウォッチングを始める前の私も、そんなイメージを持っていて、道端では出会いたくない鳥ナンバーワンでした。
こんにちは、イソヒヨノートのハルです。
今回は、そのカラスについてご紹介します。双眼鏡を手に入れてから、カラスの見方がすっかり変わりました。
⚽ サッカー日本代表のあのマークは、カラスだった
突然ですが、サッカー日本代表のユニフォームや、日本サッカー協会(JFA)のエンブレムに描かれた鳥を見たことがありますか?
三本足のカラス、「ヤタガラス(八咫烏)」です。
ヤタガラスは、日本最古の書物のひとつ「日本書紀」や「古事記」に登場する、神の使いとされるカラスです。初代天皇・神武天皇が熊野(現在の和歌山・三重あたり)から大和(奈良)へと進む際、道に迷った一行を正しい道へと導いたと伝えられています。
私たちがよく訪れる馬見丘陵公園も、甘樫丘も、奈良の地。ヤタガラスが神武天皇を案内した「大和」の地でカラスを観察していたのかと思うと、なんだか感慨深いものがあります。
「八咫(やた)」は、大きさや偉大さを表す古い言葉です。「咫(あた)」は昔の長さの単位で、「八咫」とは「とても大きな」という意味合いになります。
つまりヤタガラスは、「偉大なるカラス」。不吉なイメージとは真逆の、力強くて神聖な存在として描かれているのです。
日本サッカー協会がヤタガラスをシンボルに採用したのは1931年のことです。「道を切り拓き、勝利へと導く」存在としてヤタガラスが選ばれました。三本の足には「技術・体力・精神力」など、さまざまな解釈がありますが、いずれにしても「三位一体」の強さを象徴しているとされています。
サッカー日本代表の試合でヤタガラスのエンブレムを見るたびに、「これ、カラスなんだよな」と思うようになりました。以来、カラスがちょっと格好よく見えてきています。
��� カラスって、実は2種類いるの?
バードウォッチングを始めるまで、カラスはただの「カラス」でした。
でも双眼鏡で見るようになって、気づいたことがあります。日本でよく見かけるカラスには「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類がいるんです。
見分けるポイントは、クチバシと鳴き声、それと行動パターンです。
ハシブトガラスは、名前のとおりクチバシが太くて丸みがあります。おでこも出っ張っています。

都市部の公園や森に多く、「カーカー」と澄んだ声で鳴きます。羽に青みがかった光沢があるのも特徴です。
一方、ハシボソガラスはクチバシが細くてまっすぐです。

田畑や河川敷など、開けた場所を好みます。鳴き声は「ガーガー」と少しかすれた感じで、歩いて移動することが多いのも特徴です。
馬見丘陵公園や甘樫丘、大阪城公園など、私たちがよく訪れる場所では両方に出会えます。ぜひ次に見かけたとき、クチバシに注目してみてください。
��� カラスは本当に人の顔を覚えるのか
タイトルにも書いたとおり、カラスは人間の顔を覚えると言われています。これ、実は研究で確かめられているんです。
2008年、アメリカ・ワシントン大学のジョン・マルツラフ博士が行った実験が有名です。研究者が「怖い顔のマスク」をつけてカラスを捕獲・タグ付けし、その後も同じマスクをかぶってキャンパスを歩き続けました。
すると、以前捕獲されたカラスたちは、そのマスクをした人物を見つけると鳴き声をあげて警戒し、急降下して攻撃してきたのです。「普通のマスク」では何も起きませんでした。
さらに驚くのが、情報の伝達です。一度も捕獲されていない若いカラスまで、その「危険な顔」を避けるようになっていました。親から子へ、群れの中で口コミで情報が広がっていたのです。しかもその記憶は、数年間持続するということです。
カラスを怒らせると、集団に覚えられてしまうかもしれないということですね。ヤタガラスが「道を導く神の使い」とされたのも、こうした高い知能と観察眼があってこそかもしれないと思うのです。
��� 針金を自分で曲げて、道具を作った
顔認識と並んでカラスの知性を語るうえで欠かせないのが、道具の使用です。
ニューカレドニアに生息するカラスは、木の枝や葉を加工して「かぎ状の道具」を自作し、木の穴の中の虫を取り出します。道具を作るなんて驚きですが、2002年にオックスフォード大学で行われた実験でも同じようなことが起きました。
「ベティ」という名のカラスが、チューブの中の食べ物を取ろうとして、置いてあった針金をその場でかぎ状に曲げて使ったのです。誰も教えていないのに、自発的に道具を作ったのです。
さらに最近の研究では、道具を道具で作ったり、複数の道具を順番に使うことも確認されています。
日本のハシブトガラスにも似た行動があります。硬いクルミを車道に置いて車に踏ませて割るという映像を見たことがありますか。ただ置くだけではなく、横断歩道の信号が赤になるタイミングに合わせてクルミを置き、青になってから安全に回収するという報告もあります。信号のサイクルを理解して使いこなしているということです。
なぜそれほど賢いのか。カラスの脳は、体の大きさに対して霊長類(サルの仲間)に匹敵するほど大きく、人間の前頭前野(判断・計画を司る部分)に相当する脳の領域が特に発達しています。知能は人間の5〜6歳の子どもと同程度とも言われています。見た目は全然違いますが、知性の面では私たちと意外なほど近い生き物なのです。
✨ 近くで見ると、カラスはじつは美しい
カラスというと「真っ黒」というイメージがありますが、双眼鏡で近くから見ると、まったく印象が変わります。
羽が、光の加減によって紫や青、緑に輝くんです。
これは「構造色」と呼ばれる現象で、羽の微細な構造が光を反射して生まれる色です。シャボン玉の虹色や、クジャクの羽の輝きと同じ仕組みです。
真っ黒に見えるカラスが、角度によってはまるで宝石のように光る。ぜひ次に街でカラスを見かけたとき、光の当たる角度に注目してみてください。
��� 春になると、カラスは巣づくりに奔走する
カラスの繁殖期は春、3〜5月ごろです。公園の高い木の上や、電柱の上などに巣を作ります。
巣の材料は枝や草ですが、都市部では針金ハンガーやビニール紐なども使うことがあり、これがたびたびニュースになっています。手に入るものをなんでも活用してしまうあたり、カラスの柔軟な頭のよさを感じます。
ヒナが巣立つまでの間、親カラスは巣の近くに近づく人間に対して非常に警戒します。「カラスに追いかけられた」という話をよく聞くのは、この時期がほとんどです。怖いと感じるのは当然ですが、親が子を守ろうとしているだけ。カラスの子育ての時期だと知っていると、見方がすこし変わってきます。
卵は4〜5個ほど産み、孵化まで約3週間。巣立ちまでは1か月半ほどかかります。その間、親鳥が交代でせっせとエサを運ぶ姿は、どこかほほえましくもあります。
���️ 一年中出会える、身近な鳥
カラスは留鳥といって、渡りをせずに日本に一年中暮らしています。寿命は10〜13年ほど。野鳥としてはかなり長生きな部類です。
観察記録を振り返ってみると、馬見丘陵公園、甘樫丘、二上山、大阪城公園など各地で、ハシブトガラスとハシボソガラスの両方に出会えています。あらためて記録を見ると、こんなにたくさん観察していたのかと少し驚きます。
公園や街中でカラスを見かけたら、立ち止まってじっくり観察してみてください。
※記事の構成や表現の整理にAIを活用していますが、観察記録と写真はすべて自分たちで撮影・記録したものです。
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